散骨屋日記

散骨プランの立て方は?

私の場合は、ハワイ・アメリカ西海岸での自然葬を主体と
しているので、日本のとは少し違う点もあるが、
自然葬の計画の立て方を実際に順を追って考えてみよう。

大多数のお客様は、経験が無いので、
「全てよろしく御願いします」と頼んでくる事が多いが、
自然葬の良いところは故人の考え方を反映し、
自分で独自の式を組み立てれるところにある。

基本形は頼んだ散骨の会社の持つ式次第に沿い、
故人らしい葬送の式を組み立てたらどうだろう。

その方が遺族は勿論、遺族や参列してもらえる友達の心に
長く残り、故人を偲べるのではないだろうか。

散骨屋さんに頼めばソツ無くやってもらえるだろうが、
自分達で式を創り、執り行ったということで、故人の喜びもきっと倍増するだろう。

船という限られたスペースそして、全行程1時間半から
2時間半ぐらいの短い時間内で行う事を前提とし、
特別の事を企画しなくとも、自分達で考えて、実行できれば、
それだけでも自然葬にした意義がある。まずは日程の立て方、
場所の選定方法を考え、末尾の表の項目に従い、
数社を比較するとそれぞれの会社の考え方が見えてくる。

金額も当然重要だがいろいろな側面から見てみれば
後悔を未然に防げる。

なにせ、散骨はやり直しがきかないのだから。

日程:

計画を立てる時に、命日、結婚記念日、誕生日などの日を中心に旅行の予定を立てる。
自然葬を行った日を記念日とするのも悪くは無いが
ただ、天候を考え、予備日も設定する方が良い。
季節によって風が強い地方は波も大きい。できれば選ぼうと
している地方に住む漁業関係者、ボートやヨットを好きな人に
季節ごとの天候の特長を聞くことも必要だ。

湘南地方でも冬になると「ならえ」が1週間以上
吹き荒れる事もある。
こうなると漁業専業者も船を出せなくなる。

日程が何回も延びれば、参列される方の都合も考え、
強行したくもなるが禁物だ。

波が高いというだけで参列者に船酔いになるのではと言う
気を起こさせ、精神的に酔いやすい状況を作り上げてしまう。
一人酔うと連鎖反応が起きる事が良くあるし、完全に酔う前に、
そっと水を飲ませたり、風通しの良いところでなるべく
遠くの景色を見るようにすると気分も楽になる。
酔った事をその他の人に知らせない事がコツだ。

出航前に波が高いのを知っているのに拘らず船を出す
船長だったら、全部キャンセルした方が良い。

予約時に悪天候の場合の予備日を明確にしておく事も必要だ。

ハワイや西海岸では天候が比較的安定しており、朝方または
夕方には波のおさまる時間があるので、もし朝がダメでも
夕方の時間を予備とし、低気圧の停滞など無い限り予定日に
行う事ができる。

海で自然葬を行う場合には、波の有る無しが快適に式を終える
ことが出来るかどうかの決め手だ。

アメリカでは州によって違うが、ほとんど岸から
500ヤード(450メーター)離れれば散骨が出来るので、
式は湾内でして、散骨だけを湾から離れ短時間の内にすることもできる。

その点、日本では法律は無いのだが、13キロとか
20海里とか個々の散骨屋さんが決めている。天気は
その日によって、時間によっても違うのは当然だが、
場合により近くで出来るのと、いつも波の高い外洋に出ての
散骨では参列者に負担をかけ、式後の印象も大きく違わせる。

日程を決定と場所の選定の関係は密である。選定する前に
年間を通して穏やかな地域、季節毎の地域の特長は必ず
押さえておこう。

波の荒い海に出た船がどんな状況になるか明白で、無理して
出航すれば悲惨な結果が待っているだけだ。安全は勿論、
参列する方々に苦難を感じさせる自然葬はしない方が良い。

場所:

旅をしないで近所で自然葬ができればよいのだけど、なかなか
見合うところが無い。
散骨を執り行う業者も限られていると場所の決定は難しいが、
故人の好きであった場所の観光案内所に問合せ、希望の形の船が
チャーター可能かどうか聞き、自分達独自の式を創り上げるのも
一つの方法だ。
まだ法律の無い日本では許される訳だし、
今がチャンスかもしれない。

日本で自然葬を行う時に参考になるよう、私がハワイで散骨
を行う時お客様に送る説明書を抜粋しポイントを考えてみよう。

ハワイで式典を行う為のヒント

ハワイには大きく分けて6つの島があります。
どの島をおえらびになることはできますが、
次のアイディア集を読まれ、旅自体を快適に、
そして、参列される方々が少しでもお疲れに
ならないよう配慮しましょう。
事前の考慮と、経験有る自然葬執行責任者
(セレモニーディレクター)の手助けがあれば、
貴方が日本に帰国された時の疲れは半減できます。

オアフ島:

ワイキキ側の港から自然葬用の船が出航します。
ダイアモンドヘッドが見え、波も年間を通して穏やかなところです。
交通の便もよく、日本語のできるお店も多くあり、
個人個人で自由時間も楽しんでいただけます。

ハワイ島:

コナ地区かカハラコースト側からの出航です。遠くに
壮大なマウナケア山を望み、ゴルフ、ダイビング、
トローリングなどのメッカです。島もハワイで一番大きく、
ゆったりとした時間を持てる所です。コーヒーの木の植樹(有料)
もできます。

カウアイ島:

別名ガーデンアイランドと呼ばれるように、緑の多い島です。
雨も多いのですが一日中雨が降ることは少なくハワイの島では
一番古い島と言われています。
出航はポイプ地区からですが、大きい船が無い為大人数の
参列者がある場合には向きません。

マウイ島:

ラハイナ地区からの出航になりますこの島も大きく移動に
時間がかかりますが、天候が安定している為予定が立てやすく、
予備日の必要が無いほどです。トローリングやゴルフにも
向いており、有名なゴルフ場もたくさんありますので、
自由時間には楽しめるでしょう。

他にも島があるのですがチャーターできる船が非常に少なく、
事前にチャーターの可能性を問い合わせてからでないと旅行の
日程が立てられません。

交通手段:

交通手段はどの島かを決めるかの重要なポイントとなります。下記の事柄を参考に島選びの参考にして下さい。

1. 選ばれるハワイの島に日本からの直行便があるかどうか時期により、陽射しや湿気の為予想外に疲れてしまう事があります。直行便でなくともオアフからの乗り継ぎ便はあるのですがオアフでの通関、空港内での移動、待ち時間が有る場合派それから又飛行機にのり荷物などの受け取り等やるべき事は多く、ご参列者に老人がいる場合には考慮すべき点といえます。

2. 滞在中の移動方法

例えば、オアフ島ワイキキエリアのホテルに滞在すると市内での移動はバス、タクシーも多く参列される方々が各自自由な時間を持つ事が出来ます。特別に団体行動しなくても迷う事は少なく、空港行きの便も沢山あります。

自然葬の為の船に乗船する地点までの移動方法だけを考えればよいでしょう。
通常乗船場所は、ワイキキのホテルからタクシーで5分から10分で行く事ができます。
他の島では船の係船地で違いますので、担当者にお尋ねください。

現地観光及び食事:

旅行代理店のベテラン添乗員の一番気を使う所は食事です。
自由時間には楽しんで、おいしいお食事を頂けば、
余りお客様からの不満が少ないという事を聞いたことがあります。

1)自由時間に何をなさりたいか、人数が多いとなかなか
まとまりませんが、どこのホテルでも観光案内のデスクがあり
そこで各自の好みにあわせ予約してもらえます。
但し、現地集合の場合もあるので注意してください。

2)食事も旅の重要なポイントです.大人数の場合は予約を入れるか、
その日の洋風にするか和風にするかなど、気分により少人数で分かれてのお食事も良いでしょう。

読んで頂くとお分かりいただけるように、国内外を問わず遠方から
式に参列してくださる方たちへの配慮を重視して作っている。
場所選びは下記のポイントに配慮し色々の側面から考えてみよう。

1. 団体行動をしやすくする工夫と、できるだけ疲れないような配慮。
2. 老人、幼児対策。
3. 参列者が自由に行動できるかどうか。
4. 参列者の意向や、好みなどの多様性に合わせられるよう配慮。

大事な方を亡くした精神的な疲れの時に葬儀を執り行うと意外と
ケアレスミスをしたり、考えが及ばない時が有る。

参列者に気を使うのも大変なので、できる限り全員が自由に行動
できる場所を選ぶのには、事前の配慮が必要だ。

一度決めたら、式以外の自由時間は各自で愉しんで頂き、
御遺族はゆっくり心と体の疲れを癒す時間を持とう。

式を行う時間:

海で自然葬の式を行う時間は風や波の比較的穏やかな、すがすがしい朝かまたは、夕陽を見ながらの夕方が良い。

予約は朝として、波の具合で夕方に延ばす事も船の予約状況により可能だ。なるべく予定日に執り行った方が良い。
ハワイなどでは、朝は特にすがすがしさを増すし、場所により観光船が行き交ったりしない朝9時ごろか壮大な太陽が沈む時間がお薦めで、サンセットの時間はその日によって違うので予約時に夕陽の時間を指定すればそれに合わせて時間設定した出航予定を組んで貰える。ただ、サンセットを希望する場合は、壮大なサンセットを見ながらの夕食クルーズ.カクテルクルーズなどにチャーターの予約が多く、予約はなるべく早い方が良いし、他にも船が数多く出る事を知っておきたい。

参列者数:

参列者の数で自然葬に使われる船の大きさ、種類で決まってくる。
日本では保安基準が船ごとに決められているので乗船人員は
どのくらいか問合せをすれば教えてくれる。

しかし、保安基準はあくまでも最大乗船人数なので、船長・
クルーを含んだ人数であることと、快適に乗る為ではない事も
知っておくべきで、目安としては保安基準の半分の人数が
自然葬には良いだろう。もし参列者の人数が多数の場合には、
目安に合わせて何隻かのチャーターをしよう。

私が使う船は50フィート以上のクルーザーで米国沿岸警備隊の
安全基準に合格している船を使う

これを例にすると29人が乗船できるが、12〜13名用までしか
使わない。湾内に停泊してのパーティーならばしかたがないが、
外洋に出れば揺れの為、意外と一人あたりのスペースが必要となり、安全がすべてに優先する。

船にはタイプにより座る場所が限られている。
デッキに座るのも安定性に欠くし、快適ではない。
若い人には良くても、老人や子供、身体に障害の有る方には向かない。

できるだけ大型クルーザーを勧める所以だが、
日本では50フィート以上のクルーザーも数少なく、
老人や身体障害者が参列される場合には、
事前に知らせてどういう対応ができるか問い合わせる方が良い。

式次第:

港を出港し、目的地海域を航海し船長の合図により
式典執行責任者(セレモニーディレクター)が式を進行する。
通常は船を停船し式を行うが、潮の流れなど状況により対応する。
停船するより、微速で前進していた方が揺れを感じないし、
船首を風上に向けるのが常だが、全て船長にまかせよう。
船長は酔いそうな人がいないかをも気にしながら操船している
のだから。

式の内容はほとんどの業者が下記のように行う。
通常は20から30分で式は終わる。

前記のように下記に独自のものを取り入れることもでき、
全体の時間さえ考慮すれば付け加えて行う方がよいが、
事前にセレモニーディレクターと相談が必要だ。故人がカラオケ
を好きであれば、皆で歌っても良いし、詩の朗読で感謝を
捧げるのももっと良い。

式のバックグランドミュージックとして、故人の好きな曲を
テープやCDで持参すればかけてもらえるので、これも
事前にテープかCDかの種類を問合せしておこう。

基本的な式の進行は次の通りだが、基本形に追加し、
オリジナリティーを持たせよう。

(基本的な式次第)

式の開始の合図

ご遺族の挨拶

参列者の挨拶

船長からの言葉

ワインで献杯

黙祷

散骨

散骨海域の回航

帰港

自然葬を扱う業者の比較表に記入してみると違いが分かるばかりでなく、
質問を通して自然葬全般にわたっての知識も増え、
注意事項も明解になってくるはずだ。
また、独自の自然葬演出案を作り、問い合わせておこう。

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